水虫とはどんな病気?

水虫は白癬菌による感染症

水虫とは、カビの仲間(真菌)である白癬菌による感染症の俗称です。皮膚の角質層以下に白癬菌が感染することで発症します。角質層で繁殖しているものを表在性真菌症と呼び、皮下組織や爪などにまで感染が及んでいるものを深在性皮膚真菌症と呼びます。 有名なのは足指の間の感染ですが、実際にはどこにでも感染する可能性があるものです。原因はカビであるため、高温多湿の環境で増殖しやすくなります。湿度が70%と高く、温度は約30度程度が増殖のための最適な環境となります。増殖するためには白癬菌の餌となる栄養素が必要であり、人間の汗などに含まれる垢が餌として活用されます。これらの条件を考えた時、常に靴や靴下で覆われ、高温多湿で汗をかきやすい状態にある足に感染しやすいことがわかります。実際、水虫に感染する部位の約90%が足におけるものです。

直接触れることによる接触感染

水虫の感染経路は、直接触れることによる接触感染です。水虫によって剥がれ落ちた皮膚に触れることでも感染する可能性はありますが、感染力は強くはありません。触れた部分の皮膚に傷があり、そこから白癬菌が角質層に入り込み、さらに前述した増殖に適した環境が整うことで、初めて水虫に感染するのです。 人間の皮膚は、正常な状態では弱酸性となりますが、汗や汚れがついた状態では弱アルカリ性となります。この状態では、白癬菌の餌となる汚れが残っていることもあり、感染する可能性は上がってしまいます。

予防には洗浄と乾燥が大切

水虫を予防するためには、しっかりと洗浄することが必要です。汗や垢が皮膚上に残っていると、それを餌に白癬菌は繁殖を開始します。湿気があると特に繁殖が活発になる為、乾燥させることも大切です。感染源は接触感染となるため、家族間の感染が多いのも特徴となります。水虫になっている人が家族にいる場合、床に落ちている皮膚片やバスマットについた皮膚片でも感染してしまうため、こまめに清掃することも大切です。

治療は継続的に

感染力は弱いものの、一度感染すると治療にかかる期間は非常に長く、簡単には治りません。ある程度症状が治まったと見えても、治療を中断すればすぐに再発してしまうことが多いのが特徴です。爪に感染すると、特にその特徴は顕著になります。爪が厚くなって白色や黒色に変色し、外用薬は効果が薄いため、治療が長期間に及ぶことがあります。爪が生え変わる期間が治療の基本的な期間となる為、治療を中断せずに継続することが大切です。

感染部位によって異なる症状

水虫の症状は、感染した部位によって異なります。足の水虫では趾間型・小水疱型・角質増殖型の3種が確認されており、趾間型は足指の間によく見られるものです。ジュクジュクと皮剥けが起きたり、皮膚がブヨブヨになったりするのが主症状で、痒みを伴うものがほとんどです。 小水疱型は特に強い痒みが出やすい水虫であり、足の裏、土踏まずの辺りに小さな水疱状の皮疹ができ、時間経過で皮が剥けてきます。角質増殖型ではかかとにできやすい水虫で、ガサガサとした角質が増殖し、皮膚が硬くなります。硬くなった皮膚は剥がれ落ちやすく、ひび割れを伴うことも多いものです。 爪白癬の場合は、爪が厚くなって変形・変色するのが主な症状です。爪の変形によっては、爪周囲炎を併発することもあります。一般的に「たむし」「しらくも」と呼ばれるものも、水虫の一種です。例えば陰部に感染すれば「いんきんたむし」、体に感染すれば「ぜにたむし」、頭部に感染すれば「しらくも」と呼ばれます。手に感染すれば足の症状と同じようなものが発生しますが、手への感染はあまり見られません。

治療薬は大きく分けて2種類

水虫の治療は、真菌の特長から特異的に作用する医薬品を使用します。そもそも真菌は、細菌の細胞と人間の細胞の中間に位置するような構造をしています。人間の細胞の構造と同様の構造でありながら、細菌のような細胞壁を持っているのが真菌です。真菌とそれ以外の細胞の違いは、細胞の形を保持している細胞膜の成分の違いとなります。 人間の細胞膜の主成分はコレステロールであり、真菌の細胞膜の主成分はエルゴステロールです。ちなみに、細菌の細胞膜はステロール類を含みません。この細胞膜の構成成分の違いに着目し、真菌の細胞膜のみに作用するように作られたのが抗真菌薬であり、水虫の治療薬です。白癬菌の持つ細胞膜の合成を阻害したり、穴をあけて細胞自体を破壊したり、医薬品の種類によって作用機序は異なります。 水虫の治療薬は数多く存在しますが、基本的には2つの分類で考えるとわかりやすくなるでしょう。患部に直接塗布する外用薬と体の内側から作用させる内服薬の二種類です。皮膚にできた水虫は表在性真菌症ですので、外用薬でも効果的に作用するため、改善するまでの期間をきちんと継続するだけで問題ありません。 ですが、爪水虫などの深在性皮膚真菌症の場合には外用薬の浸透率が悪く、爪の内側に繁殖している白癬菌にはあまり効果が発揮されません。そのため、深在性皮膚真菌症の場合には内服薬による治療を優先します。ただし、内服薬には相互作用を持つ薬や併用してはいけない薬が多く存在し、副作用も重大なものが報告されているため、正確な使用が求められます。