口唇ヘルペスは単純ヘルペスに分類される皮膚疾患で、単純ヘルペスウイルスを原因としています。チクチクとした痛みを伴う小さな水ぶくれが口唇の周りに発生することを主症状としており、初感染時の症状が最も重度になりやすいため、状態によっては皮膚科での治療が必要となります。

ただし、初感染時には発症しないことが大半です。発症する場合には皮膚の違和感から始まり、感染から3日程度で痛み・発熱などを伴って水ぶくれが起き、体力の回復とともに2週間程度で緩和していきます。

単純ヘルペスウイルスは一度感染すると、症状が落ち着いても神経内部に潜伏して、消えることはありません。そのため、一度症状が落ち着いても何度も再発してしまうという特徴があります。風邪や過労、または季節の変わり目など、体力が低下している状況になると免疫力が低下してしまい、再発しやすくなります。女性の場合には、生理周期に伴ってホルモンバランスが乱れ、再発の原因となる例も存在します。

口唇ヘルペスを引き起こす単純ヘルペスウイルスは、その多くが1型です。単純ヘルペスウイルス1型は、主に上半身に感染しやすいという特徴を持っており、初感染で発症した場合には重症化しやすくなりますが、再発では症状が軽度になる傾向にあります。再発頻度はあまり高くないとされていますが、体質によって大きく変わる部分であり、毎月のように再発する人もいれば、全く再発しない人もいます。

口唇ヘルペスの感染経路は、主に接触感染となります。発症している人との接触があれば感染してしまいますが、タオルを共用したりするような間接的な接触でも感染します。また、飛沫感染も感染経路として認められており、会話や咳などによって唾液が付着することでも感染してしまいます。

口唇ヘルペスの治療は、内服薬による治療か、外用薬による治療を行います。どちらの治療もウイルスの増殖を抑制するものであるため、症状は改善させることはできても、ウイルスを除去する効果はありません。

基本的には内服薬(ゾビラックス錠・バルトレックス錠・ファムビル錠・アメナリーフ錠)による治療が第1選択となりますが、症状が軽度の場合には外用薬(ゾビラックス軟膏・アラセナ軟膏)が選択されます。

何度も再発を繰り返してしまう症例では、内服薬を1年間継続して使用する抑制療法が用いられることもあります。ただし、抑制療法を用いる場合には、耐性ウイルスの発生に常に注意しなければいけません。また、外用薬の安易な使用継続も耐性ウイルスの発生原因であるとも言われるため、注意しなければいけません。