性器ヘルペスは単純ヘルペスに分類される皮膚疾患で、単純ヘルペスウイルスを原因としています。チクチクとした痛みを伴う小さな水ぶくれが性器やその周りに発生することを主症状としており、初感染時の症状が最も重度になりやすいものです。ただし、感染しても無症状のままに終わる人が70%~80%となっています。発症時には性器周辺の違和感から始まり、感染から2日~21日で複数の水ぶくれが出始めます。非常に強い痛み・発熱や強い倦怠感などを伴って、女性の場合には排尿困難などが起きることもあります。治療をしていない場合、体力の回復とともに2週間~4週間で症状が緩和します。

単純ヘルペスウイルスは一度感染すると、症状が落ち着いても神経内部に潜伏して、消えることはありません。そのため、一度症状が落ち着いても何度も再発してしまうという特徴があります。風邪や生理など、心身ともに疲労がたまった時に免疫力が低下してしまい、再発しやすくなります。また、性行為などの直接的な刺激でも再発する可能性があります。再発する時には、初感染時に水ぶくれができた部位と同じ部位に水ぶくれが発生しますが、そのメカニズムは不明です。年齢が高くなるごとに、再発しにくくなっていきます。

性器ヘルペスを引き起こす単純ヘルペスウイルスは、その多くが2型です。単純ヘルペスウイルス2型は、主に下半身に感染しやすいという特徴を持っており、初感染で発症した場合には重症化しやすくなりますが、再発でも悪化してしまう可能性があります。再発頻度は1型に比べて高く、体質によって大きく変わる部分ではありますが、ほとんどの人が再発を経験します。近年は感染部位によるウイルス型の違いが少なくなっており、性器ヘルペスの場合でも40%程度は1型となっています。

性器ヘルペスの感染経路は、主に接触感染となります。思春期以降の人が感染する場合は、発症している人との性行為による感染ですが、幼少期には家族との会話や咳などによって唾液を介しても感染してしまいます。感染力が非常に強く、感染部位が広い場合には、コンドームなどでも感染を防ぐことができません。

性器ヘルペスの治療は、静脈注射・内服薬による治療か、外用薬による治療を行います。どちらの治療もウイルスの増殖を抑制するものであるため、症状は改善させることはできても、ウイルスを除去する効果はありません。症状が重度の場合にはゾビラックスの内服・静脈注射による治療が第1選択となりますが、再発時などの症状が軽度の場合には外用薬(ゾビラックス軟膏・アラセナ軟膏)が選択されます。女性の場合、初感染時には排尿困難・歩行困難となることもあり、入院が必要になる場合もあります。