ヘルペスが起きる原因は、単純ヘルペスウイルスへの感染です。感染する部位によって単純ヘルペスウイルスの型は異なり、口唇ヘルペスの場合には1型、性器ヘルペスの場合には2型が主な原因ウイルスとなっています。ただし、近年はオーラルセックスなどを行う場合も増えているため、2型が口唇に感染、もしくは1型が性器に感染するという例も多くなっています。また、水ぶくれとなった部位は皮膚の防御能力が低下しており、免疫力の低下も相まって、他の細菌などとの重複感染を起こす可能性もあります。

単純ヘルペスウイルスに感染していても、必ず発症するわけではありません。発症するかどうかは、免疫力がきちんと発揮できているかどうかによって決まります。健康な状態であれば、免疫力が十分に発揮されているために感染しても無症状となる場合がほとんどです。

単純ヘルペスウイルスに一度でも感染すると、症状が治まってもウイルスが消滅することはありません。感染部位に通っている神経から神経節に潜伏し、休眠状態で体内に残り続けます。疲労や風邪などで心身が弱っている時、生理などでホルモンバランスが乱れた時、免疫力の低下とともに単純ヘルペスウイルスは神経節から再活性化して顕在化し、再発してしまいます。

感染経路は接触感染が主なものですが、唾液を介しても感染します。単純ヘルペスウイルスに感染している人との接触、例えば性行やキスなどの直接的な接触以外にも、唾液のついた手からの感染の可能性もあります。症状が出ている時には、タオルの共用などの間接的な接触で感染する例も報告されています。単純ヘルペスウイルスに感染していても無症状の人もいますが、無症状でもウイルスの排出が行われており、直接接触では感染してしまいます。

成人50%以上の人が単純ヘルペスウイルスに感染していると考えられます。感染力が強いために、現状ではヘルペスウイルスを封じ込める手段はありません。ワクチンなどの予防方法は確立されておらず、今のところ感染を止める手立ては接触しないことに尽きます。コンドームを使用したとしても、感染部位が広範囲に及んでいる場合には感染してしまいます。昨今は性行為による若年層の感染がどんどん広がっており、ヘルペスウイルスは世界的に拡大を続けています。