ウイルスによる感染では、3つの感染経路が確認されています。直接触れることで感染する「接触感染」、感染した人のつばなどが咳やくしゃみ、会話の拍子に空気中に拡散し、その拡散した粒子(飛沫)を取り込むことで感染する「飛沫感染」、感染した人から排出されたウイルスが、空気中を長時間・長距離を移動して感染する「空気感染」です。飛沫感染では、飛沫が拡散する距離として、おおよそ感染している人の半径2mが感染範囲となります。空気感染では距離の区切りがなく、特に密閉された空間では感染する危険性が高くなります。一定数以上のウイルスを取り込むことによって感染が成立するため、飛沫感染・空気感染を起こすウイルスだとしても、ウイルスの取り込む量が少なければ感染は成立しません。

単純ヘルペスウイルスでは、主な感染経路は接触感染です。疱疹などの皮膚症状に直接触れることで感染しますが、タオルの共用などの間接的な接触でも感染することが判明しています。また、疱疹が出ている状態では飛沫感染も感染経路として認められるため、発症している人の近くにいるだけで感染してしまう可能性があります。ただし、角膜ヘルペスの場合には、部位の特徴として直接接触する可能性が低いため、感染することはあまりありません。

水痘帯状疱疹ウイルスの主な感染経路は接触感染ですが、空気感染もするために、同じ空間にいるだけで感染する可能性があります。空気中を漂う水痘帯状疱疹ウイルスを一定数吸い込んでしまうことで感染が成立するため、予防する手段は基本的にありません。そのため、ワクチンを接種してあらかじめ抗体を体内に用意しておき、感染を予防する必要があります。もし感染したとしても、ワクチンを接種していれば病状は軽度で済みます。

同じウイルスを原因とする帯状疱疹の感染経路は、接触感染となっています。空気感染するのは水ぼうそうとなっている状態であり、再発によって起きる帯状疱疹ではウイルスの感染力が低下しており、空気感染はしません。例外としてHIVの感染によって免疫不全となっている場合には、空気感染する可能性は残っています。基本的に感染経路は接触感染となるため、疱疹に直接触れることで感染してしまい、タオルの共用などでも感染する可能性があります。水ぼうそうに感染したことがある、もしくはワクチンを接種しているのであれば、すでにウイルスは体内に潜伏しているので、新たに感染・発症するおそれはありません。