口唇ヘルペスや性器ヘルペスは、実はこれといった治療をしなくても、軽快・改善します。発症要因が免疫力の低下によるものであるため、免疫力が回復すればそれに伴ってウイルスの増殖が抑制され、自然に回復するのです。無治療でもおおよそ発症から2~3週間で状態は改善していきます。ただし、治療をした場合には数日で症状が軽快し、7日程度で回復するため、無治療では明らかに治癒にかかる期間が長くなってしまいます。回復するまでの辛さは、比べるまでもないでしょう。

また、無治療では重症度によっては疱疹の痕が残ることもあります。再発する可能性が高くなるという報告もありますが、それに関しては具体的な情報はありません。無治療ではウイルスを周辺に排出する期間が長くなってしまうため、治療中よりも感染者を増やしてしまう可能性が高まります。

角膜ヘルペスも単純ヘルペスの一種ですので、同じく無治療でも改善することはあります。ただし、角膜ヘルペスといっても、表面に症状があるのか内部に症状があるのかによって、治療の方針が異なります。内部に症状がある場合には角膜の変性(黒目が白く濁るなど)が症状としてあるため、ヘルペスウイルスの感染がなくなったとしても、変性が進行していれば視力の低下が起き、回復しないことがあるのです。失明してしまう危険性も高いものですので、角膜ヘルペスを放置するのは決して勧められるものではありません。

水ぼうそうでは小児期の感染が主で、症状が軽いものが多いため、あえて治療をしない場合が大半です。成人になってからの感染では高熱や痛みなどを伴うことがあるため、状態によって治療を行います。治療しなくても症状が改善はしていきますが、当然その治癒に掛かる期間は長くなってしまい、苦しい期間が2~3週間持続します。

帯状疱疹も同様に、治療することなく改善する例もあります。帯状疱疹では、どの部位に発症するかによって痛みや発熱などの随伴症状が大きく異なります。背中に出た場合ではむずがゆさを感じる程度となることが多く、自分自身で症状を目視できないこともあるため、治療せずに終わる例が多くなります。頭部に症状が出ると、非常に強い痛みと発熱を伴い、睡眠もまともに取れない状態が続くため、治療をしなければ免疫力の回復が見込まれず、どんどん悪化していくこともあります。
また、帯状疱疹が目の付近で発症した場合、角膜ヘルペスの症状を併発してしまい、視力の低下・失明を引き起こしてしまう危険性があります。